
軟水と硬水の違い
よく海外の水は硬水で、日本の水は軟水・・・という話をききますよね。実は市販のペットボトルも軟水・硬水と別れているのはご存知でしょうか? 硬水だからなんなの?軟水は硬水と何が違うの?どっちのほうがいいの?
そんな方のために、軟水と硬水の違いについて詳しくご説明いたします。
軟水と硬水とは?
軟水と硬水のちがい、それは水の「硬さ」です。 水が硬いか軟らかいかということですね。
水にはカルシウムとマグネシウムというミネラルが含まれており、この2つのミネラルが多いと水が「硬い」と表記され、少ないと「軟らかい」と表記されます。この硬度はWHO(世界保健機関)による規定によって基準が定められており、1リットルにカルシウムとマグネシウムがどれだけ含まれているかを計算しています。
WHOの基準では、- 軟水
- 0-60未満
- 中程度の軟水
- 60-120
- 硬水
- 120-180
- 硬水
- 180以上
商品名 | 硬度(mg) |
---|---|
サントリー南アルプスの天然水 | 30 |
クリスタルガイザー | 38 |
いろはす | 31~40.3 |
ボルヴィック | 60 |
森の水だより | 34.6 |
アサヒおいしい水六甲 | 32 |
キリンアルカリイオン水 | 59 |
ご覧の通り、全てが軟水となっています。 一番高くても60なので、硬水よりということでもありません。日本の水道水も、土地によって数値は異なりますが全ての地域で軟水となっています。ちなみに、日本で一番硬度が高いのは沖縄ですが、こちらも軟水です。
では、海外のお水は日本のものとはどれだけ違うのでしょうか。海外のペットボトル水の硬度を見てみましょう。
商品名 | 硬度(mg) |
---|---|
エビアン | 304 |
ペリエ | 415 |
サンペレグリノ | 674 |
ゲロルシュタイナー | 1310 |
コントレックス | 1468 |
主に海外で売られているペットボトルの硬度です。
日本のものとくらべてどうでしょうか、明らかに硬度が高いですよね。ゲロルシュタイナーやコントレックスは1,000以上の超硬水となっています。海外の水道水は、アメリカの一部の地域やアジアの一部を除いてほとんどが硬水です。
飲料としての硬水と軟水の特徴

硬水と軟水がどのように分かれているかはわかりました。 では飲料として見た時に、硬水または軟水だと何がどう違うのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
- 硬水の特徴
-
硬水とは、カルシウムとマグネシウムが1Lにどれだけ含まれているのかを計算した時に、120以上の値になる水のことをいいます。
このカルシウムとマグネシウムはミネラルと呼ばれるものであり、人の身体は自力でこのミネラルを作り出すことはできません。ミネラルは5大栄養素の一つであり、タンパク質や炭水化物を分解する酵素を助ける働きをします。
じゃあ、そのミネラルがたくさん含まれている硬水のほうが身体にいいんじゃないの?と思われる方もいるでしょう。 しかし、このミネラルは水の味に関係してきます。カルシウムやマグネシウムには独特の風味があり、
- のどごしがあまりよくなく、口当たりも重く飲みにくい
- 後味が強くのこり、癖がある
とよく言われています。 個人差はありますが、日本人にとってはあまり美味しくなく感じる方が多いようです。料理では、カルシウムが肉を硬くする成分とむすびついてアクとしてでてくるので、肉料理や煮込み料理に適しています。
また、日本人は硬水に慣れていないので、硬水によって身体に不調をきたすこともあります。
マグネシウムには胃腸を活発にする働きがありますが、これが過剰に働きお腹をこわしてしまうことも。しかし、うまく働けば胃腸の調子を整えることもできます。
硬水を飲み始めようと思っている方は、硬水の中でも比較的硬度が低めなものから始めるのがいいでしょう。 硬度が高ければ高いほど、味にも強く影響してきます。
- 軟水の特徴
-
軟水とは、カルシウムとマグネシウムが1Lにどれだけ含まれているのかを計算した時に、120以下の値になる水のことをいいます。
数値のとおり、水に含まれているミネラルは少なくなっていますが、そのかわり口当たり、飲みくちが硬水と比べまろやかなものとなっています。 味に癖がないので日本人にとっては飲みやすく感じます。
料理においては、基本的にこの癖のない軟水が良いとされています。軟水には香りを引き出す力があるので、茶葉をつかった飲み物には最適です。 和食でも出汁や煮物など、素材の味が重要になってくるのでそのままの香りや風味をだせる軟水が適しています。
- 白い跡?
-
硬水のお水は多くのミネラル分を含んでいるため、食器やシンクなどを濡れたまま放置したり、鍋に水をいれて沸騰させたりするとミネラル分や石灰分が残り、白い跡となります。 当然お風呂の水も硬水なので、ひどいときはシャワーの目が詰まってしまうことも。水回りは水滴を拭き取ったり、こまめな掃除が必要になります。
- 肌も髪もパサパサに!
-
軟水に慣れ親しんだ日本人の肌は、硬水と相性があまりよくありません。
旅行などで海外に行かれた際に、急に肌荒れした経験をした方も多いと思います。これはもしかすると、その国の水が硬水だったからかもしれません。
硬水を使うと、肌が急激に乾燥し、髪の毛もパサパサになってしまうことがあります。これは、実際には硬水だけが原因なのではなく、硬水にふくまれるミネラル分と洗顔などの石鹸成分が化学反応を起こし、石鹸カスが発生するためなのです。
この石鹸カスは肌や髪が荒れる原因となります。さらに石鹸カスができることで泡立ちが悪くなり、洗浄力も落ちてしまうのです。 日本から持ってきたシャンプーや洗顔などは軟水で使用することが前提なので、海外に滞在される際は現地で買うことをオススメします。
- ミネラル分が豊富
- 癖が強く、少し飲みにくい
- 胃腸の働きが活発になる(人によってはお腹を下してしまうことも)
- 料理では灰汁のでるものや、煮込み料理に向いている 軟水
- 硬水よりミネラル分がすくない
- 癖がなく飲みやすい、口当たりがまろやか
- 料理全般に向いている
- 日本人の肌質に合っている
海外と日本の水の違い
次に、生活用水としての軟水・硬水の違いを見ていきましょう。
そもそも、なぜ海外の水道水は硬水が多く、日本の水道水は軟水なのでしょうか?
日本の地形は土地の起伏が激しいので、雨や雪解けの水は早いスピードで高いところから低いところへ流れます。 海外に比べ川の長さも短く、そのため水に地層内のミネラルが染み込む時間が短くなります。 よって、地表にでてからも岩石等から充分にミネラルを吸収できず、ミネラル分の少ない軟水となります。
対して海外では、大陸の面積が大きく土地もなだらかです。そのため水が地層にとどまる時間が長く、加えて石灰質の豊富な地層が多くあります。 時間をかけて地層を流れた水はミネラル成分を多く吸収するため、日本の水よりもマグネシウム・カルシウムを多く含んだ硬水ができるというわけです。
生活用水が硬水になったら・・・
わたしたち日本人は水道水=軟水を生活用水として使用していますが、もしこれが硬水になってしまうと、様々な問題が発生します。
まとめ
軟水と硬水の違い、お分かりいただけたでしょうか。簡単にまとめると、-
硬水
普段何気なく買っていたお水ですが、実はこんなにも違いがあるんです。
硬水も軟水も、それぞれメリット・デメリットがありますので用途によって使い分けることをオススメします。
健康のためにミネラル分を摂取したい!とお考えの方は、これを機に飲水を硬水にしてみてはいかがでしょうか。お水のメーカーによって硬度は様々なので、自分にあったお水を探してみるのもいいでしょう。 また、海外旅行や滞在をお考えの方は現地のお水に注意してください。適当に買ったお水が硬水だった場合、体調を崩す可能性が高くなります。
以上、軟水と硬水の違いでした。